海外バイヤーが日本の不動産購入で驚く5つのこと
日本の不動産取引の流れ自体は世界共通です — 物件を選び、契約し、決済し、登記する。それでも次の5点は、海外バイヤーが繰り返しつまずく細部です。
1. 現金決済の比率が高い
国内の住宅取引のうち約4割が全額現金で行われます。空き家、投資用ワンルーム、都心の住戸の相当数が含まれます。融資前提の市場から来た買主には、売主の「現金とローンの違いに無関心」な姿勢が新鮮に映ります。人気物件で競合する場合、現金は融資より2〜3週間早く決済できます。
2. セットバックが土地を削る
幅員4m未満の道路に接する敷地は、建築基準法により将来4m幅を確保するため建築線を後退させる必要があります。後退部分は事実上使えませんが、所有と固定資産税は残ります。入札前にセットバック面積(㎡)を必ず確認してください — 有効敷地が静かに5〜15%削られていることがあります。
3. 接道なし、再建築不可
建築基準法第43条は、再建築に幅員4m以上の道路への2m以上の接道を求めます。私道や狭い階段路地に面する古い物件はこの要件を満たさないことがあります。購入も居住もリフォームも可能ですが、解体しての建て替えはできません。立地の割に異常に安い物件はこれを抱えていることが多く、価格の理由はここにあります。
4. リフォームに許可が要る
主要構造の変更(耐力壁の移動、増築、屋根形状の変更)は建築確認が必要です。マンションは加えて管理規約で床材変更、給排水ルートの変更、窓の改造などが制限されることがあります。表層リフォームはほぼ自由ですが、構造に触る工事はそうではありません。
5. 重要事項説明は1〜2時間かかる
売買契約の前に、宅建士が重要事項説明書を読み上げます。用途地域、地役権、特約、建築基準法上のステータス、水利、既知の瑕疵まで含まれ、法律上の義務として通常60〜90分。海外で「タイトル会社が30分で終わらせる」感覚に慣れていると、そのままでは消化できません。事前に書面を読み込み、必要なら法律レベルの通訳を同席させてください。
いずれも取引を止める要素ではありませんが、内見ではなく契約の場で初めて出てくることが多い項目です。早めに掴んでおくほどコストが小さくなります。