古民家リノベーションで確認したい費用とリスク

古民家リノベーションで確認したい費用とリスク

古民家は、日本の家探しの中でも特に感情に訴える物件です。太い梁、深い軒、畳、庭、静かな集落。検索語としては「古民家 販売」「traditional Japanese house」「old Japanese farmhouse」「空き家 リノベーション」などがあります。

魅力は本物です。ただし、必要な工事も本物です。

古民家の改修費用はいくらかかるのか

古民家の費用は、家一軒ではなく工事ごとに見積もります。瓦屋根の葺き替えは屋根1㎡あたり約2万〜3万円、大きな家の茅葺き屋根の全面葺き替えは2,000万〜2,700万円、新しい畳は1枚1万2,000〜2万8,600円、耐震改修は平均約370万円で、そのうち約100万円を自治体の補助が負担するのが一般的です。各数字の出典は表のとおりです。

工事費用の目安単位出典
瓦屋根の葺き替え約2万〜3万円屋根1㎡あたり鳥取市の計算例・長野県の古民家等活用マニュアル(約2万円)、浜松市・鳥取市の補助の基準額(2万4,000円・3万円、2026年度)
茅葺き屋根全面葺き替え2,000万〜2,700万円、片面または表面の修繕500万〜700万円1棟あたり盛岡市(2025年)、クボイ(Precious、2018年)
畳の表替え5,500〜1万6,800円1枚あたりミツモア2024年の見積もり、小売物価統計調査(函館市統計書)、ナフコの価格表
畳の新調1万2,000〜2万8,600円1枚あたりミツモア2024年の見積もり、ナフコの価格表
障子の張り替え2,980〜1万円標準サイズ1枚あたりミツモア(直近2年間の見積もり)
襖の張り替え3,000〜1万1,000円標準サイズ1枚あたりミツモア(直近2年間の見積もり)
シロアリ駆除3,200〜4,950円、全国規模の大手は8,000〜1万円床面積1坪(3.3㎡)あたりミツモア
耐震改修平均約370万円、補助の上限は約110万〜140万円1棟あたりさいたま市、ひたちなか市・岐阜県(2026年度)
キッチンの交換40万5,000〜70万2,000円1台あたりミツモア(直近2年間の見積もり)
ユニットバス交換76万5,000〜110万円、新設86万〜170万5,000円1室あたりミツモア(直近2年間の見積もり)
合併浄化槽(5人槽)約84万円、標準の補助額33万2,000円1基あたり北九州市、瀬戸市(2026年度)
公共浄化槽の水洗トイレ設置・配管工事30万〜50万円1戸あたり北九州市

表の金額は、公開されている価格データと補助制度から拾った幅であり、見積もりではありません。建物の大きさ、地域、足場やトラックが入れるかどうか、床や天井を開けてから見つかる傷みによって、どの項目も上下します。

費用を動かす要因

屋根:瓦か茅か

瓦屋根の費用は面積で決まります。鳥取市の2026年度の計算例は、屋根面積110㎡で見積額220万円、1㎡あたり2万円です。浜松市と鳥取市はどちらも、2022年1月から適用された耐風基準に適合しない瓦屋根の葺き替えに、費用の23%を補助します。対象になる費用は屋根1㎡あたりの基準額(浜松市2万4,000円、鳥取市3万円)までで、補助額の上限は浜松市が55万2,000円、鳥取市が69万円(対象費用の上限300万円の23%)です。浜松市では、申請前に業者と契約すると補助の対象外になります。長野県の古民家等活用マニュアルは、重い瓦から軽い金属屋根などへの葺き替えを耐震補強の一つに挙げ、1㎡あたり約2万円としています。

茅葺きは1棟単位で考えます。盛岡市は、市指定有形文化財「原敬生家」の茅葺屋根の全面葺き替えに約2,700万円が必要と見積もり、西側だけで目標額を700万円としました。福岡県の茅葺き会社は、全面葺き替えを足場代や材料の運搬費込みで約2,000万円、表面だけの修繕を約500万円としています(2018年)。日本茅葺き文化協会によると、ススキやヨシの屋根は30年から50年もちます。

畳・障子・襖

いずれも1枚単位の料金なので、内見のときに数えておきましょう。6畳間なら畳は6枚です。表替えは畳床を残して畳表を替える方法で、費用は新調のおよそ半分です。ナフコの価格表では国産い草の表替えが1畳1万780円で、ワラ床の場合は新調を勧めています。価格は上がっています。小売物価統計調査では、函館市の畳替え代(中級品の表替え)が2020年の7,150円から2024年には9,800円になりました。

障子と襖は紙で値段が決まります。表の幅の下の方が普通の紙、上の方が和紙や織物です。

シロアリと構造

シロアリ駆除は1階の床面積で決まります。ミツモアの見積もりでは、20坪(66㎡)で6万4,000〜9万9,000円です。古民家の多くはコンクリートの基礎ではなく石場建てで、長野県のマニュアルは、腐ったりシロアリに食われたりした土台の取り替えには特別な工法が必要で、費用が多額になる場合があると注意しています。

さいたま市の助成を使った耐震補強工事は、過去5年間の平均で約370万円、平均助成額は約105万円でした。長野県のマニュアルは、耐震壁の設置を1か所約10万円、基礎補強を1mあたり約5万円としています。また、建築基準法の仕様規定に基づく簡便な計算では古民家は適合しないことが多く、より実態に即した構造計算が必要で、その分だけ設計費が高くなるとしています。補助を当てにする前に、伝統構法の家が対象になるかを確認しましょう。ひたちなか市の2026年度の制度は、1981年5月31日以前に建築確認を受けた在来軸組構法または枠組壁工法の木造住宅に限られます。屋根と耐震以外の補助は空き家の改修補助金のガイドをご覧ください。多くは着工前の申請が条件です。

キッチン・浴室・排水

ミツモアの見積もりでは、壁付けI型キッチン(210cm)の交換が40万5,000〜48万6,000円、ペニンシュラ型(240cm)が64万2,000〜70万2,000円です。ユニットバスは、新設なら大きさにより86万〜170万5,000円、既存のユニットバスからの交換なら76万5,000〜110万円です。

排水は前面道路の状況で変わります。下水道がない地域では、北九州市の5人槽の合併浄化槽の設置費は平均約84万円で、国の基準による補助33万2,000円を差し引いた施工主の負担は約50万円でした。瀬戸市も2026年度、単独処理浄化槽やくみ取り便槽からの切り替えに同じ33万2,000円を補助し、宅内配管工事にも最大30万円を補助します。北九州市は、公共浄化槽を使う家の水洗トイレ設置と配管工事を30万〜50万円としています。

家全体

家一軒の公的な目安として見つかったのは古い資料だけです。国土交通省が工務店やリフォーム会社など約40社への調査をもとに2011年にまとめた表では、古民家再生は1,200万〜3,000万円でした。見積もりではなく規模感の確認に使い、上の工事別の価格を優先してください。

古民家は普通の中古住宅と違う

古民家は、単に古い家というだけではありません。伝統的な木組み、古い屋根構造、土壁、現代とは違う生活動線を持つことがあります。そのため、一般的な中古戸建てより専門的な改修が必要になる場合があります。

購入前に確認したい項目は次の通りです。

歴史的な価値や建築的な魅力がある家なら、丁寧な再生に意味があります。ただ「古い」だけの家の場合、修繕費が物件価値を超えることもあります。

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写真だけで決めない

梁や和室が美しくても、床下、屋根、排水、接道、駐車場、暖房、業者の手配まで確認が必要です。見た目の雰囲気と、実際に住める状態にする費用は別です。

外国人買主の場合、不動産の所有と在留資格は別の問題です。また、民泊や宿泊施設として使う場合は、別途ルール確認が必要です。

このページが役立つ検索語

「古民家 販売」「空き家 リノベーション」「日本の古い家」「traditional Japanese house」「kominka for sale」「Japan house sales」などの検索に向けた内容です。

参考リンク

費用の出典(2026年10月17日確認)

次に読みたい実用ガイド: 日本の住宅リフォーム見積りを比較する方法.