ヘッダー画像:RoleFinderのリモート求人を私たちが独自に集計したものです(2026年11月5日)。
日本からのリモートワーク:在留資格、税金、時差、住まい
日本に住みながら、海外の勤務先から給与を受け取ったり、海外の取引先との仕事を続けたりすることはできます。うまくいくかどうかは、おおむね次の順で4つの条件にかかっています。滞在を認める在留資格、日本からの勤務を認める仕事、正しく整えた税金と保険、そして回線を実際に試した住まいです。家は最後です。家を買っても、滞在する権利は得られないからです。
要点:
- 仕事を認める在留資格が必要です。 デジタルノマドの在留資格で滞在できるのは6か月です。何年も住むには、家族関係に基づく在留資格や永住者の資格、または日本での事業経営や就労に結びついた在留資格が必要です。不動産を所有しても、在留資格は一切得られません。
- 仕事が日本からの勤務を認めている必要があります。 2026年11月5日にRoleFinderに掲載されていたリモート求人23,054件のうち、日本を明記していたのは52件だけでした。
- 税金は働く場所で決まります。 日本に滞在して行った仕事の報酬は、勤務先がどこにあっても、どこの口座に振り込まれても、国内源泉所得です。
- インターネット回線は正確な住所で確認してください。 提供エリアの地図では足りません。
この記事は、2026年11月5日時点で公表されている制度に基づいています。入管と税の制度は変わるため、ご自身のケースは下記の公式ページで確認し、税金については専門家にも相談してください。
滞在できる在留資格
| 在留資格 | 期間 | 海外の勤務先や取引先のためのリモートワーク | 知っておきたいこと |
|---|---|---|---|
| 査証免除での入国(短期滞在) | 多くの国籍で1回の入国につき最長90日、一部の国籍は15日または30日 | 明確に認められても禁止されてもいない | 観光、親族訪問、商談のための在留資格 |
| デジタルノマド(特定活動) | 6か月、延長不可 | 可。そのための在留資格 | 年収1,000万円、民間の医療保険、対象は51の国・地域、在留カードなし |
| 日本人の配偶者等、永住者、永住者の配偶者等、定住者 | 数年単位、更新可能または無期限 | 可。活動に制限がない | 家族関係や長期の居住に基づく |
| ワーキング・ホリデー | 各国との協定で決まる | 休暇に付随する就労のみ | 通常18歳から30歳、対象は33の国・地域 |
| 経営・管理 | 更新可能 | 日本で実体のある事業を経営する場合のみ | 2025年10月16日から資本金3,000万円、常勤職員1名、中上級の日本語能力 |
| 就労資格(高度専門職を含む) | 更新可能 | 不可。日本の機関との契約が前提 | 日本の企業に雇用される場合の一般的なルート |
デジタルノマドの在留資格
日本は2024年春からデジタルノマドを受け入れています。出入国在留管理庁が定める条件は次のとおりです。
- できる活動: 雇用契約に基づき海外の勤務先のためにリモートで働くこと、またはフリーランスとして海外の顧客にサービスや商品を提供すること。日本の企業や個人との契約は認められません。
- 国籍: 短期滞在の査証免除の対象で、かつ日本と租税条約を結んでいる国・地域であることが条件です。同庁の現在のリストには、米国、英国、カナダ、オーストラリア、EUの大半の国、韓国、台湾、シンガポールなど51の国・地域が載っています。
- 収入: 本人の年収が1,000万円以上であること。フリーランスは経費を差し引いた利益で数え、安定した複数の収入を合算できます。
- 保険: 滞在期間全体をカバーし、治療費の補償額が1,000万円以上の民間医療保険に加え、死亡や本国への移送に対する補償。
- 期間: 6か月で、延長はできません。同庁によると、出国後6か月が経過すれば、再びこの在留資格で来日できます。
- 家族: 配偶者と子どもも対応する在留資格で同行できますが、原則として就労はできません。
これらの制限は日常生活に関わります。デジタルノマドには在留カードが交付されないため、住民登録ができず、国民健康保険にも加入できず、実際には日本の一般的な銀行口座も開設できません。この在留資格は長期滞在には向いていますが、移住には向いていません。
観光での入国中に働く場合
出入国管理及び難民認定法(入管法)は、短期滞在者が報酬を受ける活動を禁じていますが、休暇中に海外の勤務先のメールに返信することがこれに当たるかどうかを示した公式の判断はありません。東京のある法律事務所は、短期滞在中のリモートワークのリスクは理論上のものだとし、個別に判断されると述べています。より厳しく見る専門家もいます。主に仕事をするために来日する人のために作られたのが、デジタルノマドの在留資格です。日本に住んでいるように見える長期の訪問を繰り返すと、入国時に質問を受けたり、入国を拒否されたりすることがあります。
長期の在留資格
永住者、日本人や永住者の配偶者・子、定住者には活動の制限がないため、どこで誰のために働くこともできます。高度専門職を含む就労資格は日本の機関との契約を前提としており、海外の勤務先のためだけに働くことは対象外です。
経営・管理は、日本で事業を経営するための在留資格です。2025年10月16日に施行された改正で資本金の要件が500万円から3,000万円に引き上げられ、さらに、日本人または家族関係に基づく在留資格を持つ常勤職員を1名以上雇用すること、本人かその職員が中上級の日本語能力(日本語能力試験N2相当など)を持つこと、確認を受けた事業計画書、自宅とは別の事業所が求められるようになりました。すでにこの在留資格を持つ人には、2028年10月16日まで新基準の完全な適用が猶予されます。
「リモート」求人の大半は日本を含まない
ビザの前に、仕事を確認しましょう。2026年11月5日、私たちはBuy Houses Japanと同じ小さなチームが運営する求人検索サイトRoleFinderで、掲載中の求人を数えました。リモートと表示された掲載中の求人23,054件のうち、日本を明記していたのは52件だけでした。その大半は営業職や医療職など日本を拠点とする仕事で、すでに日本で働く資格を持つ人向けでした。
残りの求人がどこからの勤務を認めているかを見るため、無作為に抽出したリモート求人3,076件で勤務可能地を読み取りました。
| 求人に書かれた勤務可能地 | リモート求人に占める割合 |
|---|---|
| 米国またはカナダのみ | 59% |
| 英国または欧州のみ | 15% |
| その他の1つの国または都市 | 14% |
| 記載なし | 5% |
| 中南米 | 5% |
| インド | 2% |
| 全世界またはどこでも | 0.7% |
| 日本またはアジア太平洋 | 0.6% |
「リモート」は通常、1つの国の中でのリモートを意味します。勤務先は、あなたが住む国で給与支払い、税金、社会保険の手続きをしなければならないからです。場所を書いていない求人にも、給与を支払う国が背後にあります。現実的な方法は次のとおりです。
- 今の勤務先に相談する。 あなたの仕事ぶりをすでに知っている勤務先が、最も相談しやすい相手です。日本から働いてよいか、期間はどれくらいか、税金を誰が扱うかを、書面で回答してもらいましょう。
- フリーランスとして海外の顧客の仕事を受ける。 そうすれば、勤務先の給与支払いは関係しません。
- EOR(Employer of Record、海外雇用代行)について聞く。 海外の人材を、現地で雇用する第三者を通じて採用する企業があります。日本が対象に含まれるか確認しましょう。
- 日本国内でのリモート求人を探す。 主に営業、サポート、エンジニアリングの分野にあり、日本で働く資格が必要です。
時差で1日の過ごし方が決まる
日本標準時は通年でUTC+9で、サマータイムはありません。勤務時間はチームの所在地で決まります。次の表は、双方が9:00から18:00まで働く前提です。
| チームの所在地 | 相手の勤務時間(日本時間) | 日本の9:00~18:00と重なる時間 |
|---|---|---|
| ロンドン(冬) | 18:00~03:00 | なし |
| ロンドン(夏) | 17:00~02:00 | 1時間 |
| パリ、ベルリン、マドリード(冬) | 17:00~02:00 | 1時間 |
| パリ、ベルリン、マドリード(夏) | 16:00~01:00 | 2時間 |
| ニューヨーク(通年) | 22:00または23:00~07:00または08:00 | なし |
| サンフランシスコ(冬) | 02:00~11:00 | 2時間 |
| サンフランシスコ(夏) | 01:00~10:00 | 1時間 |
| シンガポール | 10:00~19:00 | 8時間 |
| シドニー(夏) | 07:00~16:00 | 7時間 |
欧州のチームなら夕方から夜にかけて、米国のチームなら夜間か早朝に働くことになり、曜日もずれます。カリフォルニアの金曜の午後は、日本では土曜の朝です。アジアやオーストラリアのチームなら、日本の通常の1日に収まります。会議の時間帯は、引っ越した後ではなく、引っ越す前にチームと決めておきましょう。
税金:働く場所で決まる
国税庁は、日本に生活の本拠がある場合、または引き続き1年以上日本に住んでいる場合に、税務上の居住者として扱います。期限を決めずに移住した人は、到着した日から居住者になることがあります。
- 日本で行った仕事の報酬は国内源泉所得です。 勤務先が海外にあることも、給与が海外の口座に振り込まれることも関係ありません。
- 非永住者の制度で給与は守られません。 過去10年のうち日本に住んでいた期間が5年以下の外国人は、国外源泉所得については、日本で支払われたか日本に送金された分にだけ日本で課税されます。日本で行った仕事の給与は国外源泉所得ではないため、この制度が役立つのは海外投資などの所得に限られます。
- 短期滞在なら租税条約で免税になる場合があります。 母国の税務上の居住者のままであれば、多くの租税条約では、対象期間中の日本滞在が183日以下で、勤務先が日本を拠点としておらず、報酬を日本の支店が負担していない場合に、給与所得が免税になります。入国日と出国日を含め、実際に日本にいた日はすべて数えます。後の滞在で上限を超えると、それ以前の日数についても免税を受けられなくなることがあります。
- 自分で申告が必要になる場合があります。 日本に事業所のない勤務先は日本の所得税を源泉徴収しないため、居住者は自分で確定申告をして納税します。
- 住民税も別にかかります。 1月1日時点で住民登録している市区町村が、前年の課税所得の約10%を課税します。住民登録していない市区町村に家を所有している場合、その市区町村が課すのは少額の均等割だけです。
- 勤務先にもリスクがあります。 日本から働く期間が長いほど、税務当局があなたの仕事を勤務先の日本における恒久的施設(PE)とみなす可能性が高まります。勤務先が許可しないよくある理由です。
引っ越す前に両国の税制に詳しい専門家に相談し、日本と母国との租税条約を確認しましょう。
健康保険と年金
3か月を超えて滞在する住民で、勤務先の日本の健康保険に加入していない人は、国民健康保険に加入しなければなりません。保険料は前年の所得と市区町村によって決まり、医療費の自己負担は通常30%です。日本に拠点のない海外の勤務先は被用者保険に加入させないため、リモートワーカーは通常、国民健康保険に加入することになります。
20歳から59歳の住民は、国民年金にも加入しなければなりません。保険料は2027年3月までの1年間で月額17,920円です。日本を出国した場合、6か月以上保険料を納め、年金の受給資格を得ていなければ、2年以内に脱退一時金を請求できます。日本は24か国と社会保障協定を結んでおり、勤務先から派遣される場合には関係することがあります。
どちらも期限どおりに納めましょう。2027年3月から、出入国在留管理庁は在留審査に使うため、健康保険、年金、地方税の納付記録を受け取るようになります。
デジタルノマドはどちらの制度の対象にもならず、民間の保険に頼ることになります。
銀行口座、携帯電話、住まい
日本で日常の契約を結ぶ鍵になるのが在留カードです。
- 銀行口座: ゆうちょ銀行などの銀行は在留カードを求めます。短期滞在者やデジタルノマドは、通常、母国の口座や海外の多通貨口座を使います。
- 携帯電話: 2026年4月から、携帯電話のオンライン契約では、在留カードなど本人確認書類のICチップを読み取って本人確認をしなければならなくなりました。短期滞在者はプリペイドSIMや旅行者向けeSIMを使います。
- 住まい: 家主や保証会社は通常、在留カードで審査し、一般的な賃貸契約の期間は2年です。最初の住まいとしては、家具付きのマンスリーマンションが一般的です。2026年9月には、ある大手の家主が、在留カードの代わりにパスポートとビザで申し込め、滞在期間全体の家賃を前払いするデジタルノマド向けプランを始めました。
インターネット:地図ではなく家で確認する
総務省によると、2025年3月時点で光ファイバーは日本の世帯の97.13%をカバーし、2026年3月時点で5Gの人口カバー率は98.6%でした。1Gbpsの回線が標準で、10Gbpsのプランも広がっています。NTT東日本の10Gbpsプランは月額6,050円で、別にプロバイダー料金がかかります。
空白が残るのは地方で、家がいちばん安いのも地方です。集落が提供エリアに入っていても、特定の家に回線を引けるとは限りません。地方の家を買う前に確認したいインターネット回線では、事業者に聞くべきことと、実際の仕事を使ったテストを順に説明しています。スターリンク(Starlink)は日本で住宅向けサービスを販売しており、予備回線として使えます。公表されている価格はまちまちなので、自分の住所での料金を公式サイトで確認してください。
家の購入の位置づけ
外国人は在留資格がなくても日本で家を買えますが、家を所有してもビザは得られません。最近、いくつかのルールが変わりました。
- 非居住者は購入を報告します。 2026年4月1日から、日本の不動産を取得した非居住者は、自分が住む家であっても、20日以内に日本銀行を経由して財務省への報告を提出しなければなりません。デジタルノマドや短期滞在者は、この制度では通常、非居住者に当たります。
- 登記の際に国籍を申し出ます。 2026年10月5日から、日本人の買主を含むすべての新しい所有者が、登記の際に国籍を申し出ます。国籍は公開される登記簿には記載されません。
- 防衛関係施設の周辺の土地に注意します。 2026年10月23日、買主の国籍を問わず、防衛施設や海上保安庁の施設から約1km以内の土地の購入に政府の許可を求める法案が閣議決定されました。2026年11月5日時点では、まだ成立していません。
- 現金での購入を前提にします。 大手銀行の多くは、主に永住者に融資しています。選択肢は海外バイヤー向けの住宅ローン・税金ガイドで解説しています。
無理のない順序は、まず在留資格、次に気に入った地域での賃貸、最後に購入です。6か月ずつ来日するデジタルノマドの中には、戻ってくる拠点として家を持つ人もいます。その場合は、日本の家を留守にする前に作る空き家管理計画を参考に家を空ける期間に備え、家の年間維持費を予算に入れておきましょう。
移住の支援金は、見た目ほど広く受けられるものではありません。国の移住支援金は1世帯あたり最大100万円に加え、子ども1人につき最大100万円を支給し、仕事を続けたまま移住するリモートワーカーも対象になります。ただし、直近1年以上、東京の中心部(東京23区)に住んでいたか通勤していた人が、そこから転出する場合に限られます。海外からの移住は対象外です。市町村の空き家改修補助金は、通常、住民登録をして5年以上住み続けることが条件です。
移住前のチェックリスト
- 在留資格: どの在留資格で滞在するか、それが自分の仕事を認めているかを確認します。
- 勤務先や取引先: 日本から働くことについて、滞在期間と、給与支払いや税金を誰が扱うかを明記した書面での許可を得ます。
- 勤務時間: 日本時間で無理のない会議の時間帯を決めます。
- 税金: 両国の専門家に相談し、183日ルールに頼るなら滞在日数を数えます。
- 保険: デジタルノマドとしての滞在なら民間の保険、住民なら国民健康保険と国民年金に加入します。
- 住まい: まず賃貸にし、正確な住所でインターネット回線を確認します。
- 購入: 最初の6項目が固まってから買います。
探し始める準備ができたら、日本全国の売家を見るか、都道府県一覧から始めてください。日本からできる仕事は、RoleFinderの日本の求人で見られます。
出典
- 出入国在留管理庁:デジタルノマドの在留資格、デジタルノマドに関するQ&A、対象の国・地域、短期滞在、経営・管理の改正
- 国税庁:居住者と非居住者、国内源泉所得となる給与、183日の数え方
- 総務省:住民税、光ファイバーの整備状況、5Gの整備状況
- 日本年金機構:国民年金への加入、社会保障協定
- 財務省:非居住者による不動産取得の報告
- 内閣府:地方への移住支援金
- RoleFinderの求人(2026年11月5日に私たちが集計):日本に関する件数は掲載中のリモート求人23,054件すべて、勤務可能地の割合はそのうち無作為に抽出した3,076件。