四国で一戸建てを買う:安い家、台風、南海トラフ(2026年)

ヘッダー画像:AIで生成したイメージです。販売物件の写真ではありません。

四国で一戸建てを買う:4県の価格と、台風・南海トラフへの備え

四国には全国でも指折りの安い家があり、空き家の割合も全国で最も高い地域です。2023年の住宅・土地統計調査では、徳島県の空き家率が21.3%で全都道府県のトップとなり、四国4県がすべて上位10位に入りました(総務省統計局)。当サイトの2026年10月6日の集計では、徳島県の売出価格の中央値は880万円で、全国で最も低い県に並びました。その代わりに引き受けるものは太平洋側にあります。台風、非常に激しい雨、そして南海トラフです。

2026年10月15日時点で、当サイトの四国の地域ページには売り出し中の一戸建てが1,242件ありました。このガイドでは4県を1県ずつ取り上げ、物件と暮らし、実務上の主なリスク、現在の物件の探し方を紹介します。それぞれの土地の見どころは、47都道府県の地域ガイドから読んでみてください。

円の金額は掲載時の売出価格で、成約価格ではありません。

四国4県の比較

県売出件数(2026年10月15日)売出価格の中央値(2026年10月6日)1980年以前の築空き家率(2023年)県庁所在地の降水量(平年値)30年以内に強い揺れに見舞われる確率(市役所)
徳島県276880万円33%21.3%1,620mm(徳島)75%
香川県383999万円45%18.6%1,150mm(高松)64%
愛媛県3221,350万円30%19.8%1,405mm(松山)46%
高知県2611,369万円42%20.3%2,666mm(高知)75%

件数は2026年10月15日時点の掲載物件数です。中央値と築年数は2026年10月6日の集計によるもので、集計方法は都道府県別の一戸建て価格で説明しています。この集計での全国の中央値は1,799万円でした。2023年の調査での全国の空き家率は13.8%です。降水量は、県庁所在地の観測地点における気象庁の平年値(1991年から2020年)です。強い揺れとは、県庁所在地の市役所で震度6弱以上の揺れのことで、地震調査研究推進本部の2020年版全国地震動予測地図によります(地震調査研究推進本部)。国土交通省の2026年7月の地価調査では、住宅地の平均価格は1㎡あたり徳島県が28,600円、香川県が33,100円、愛媛県が34,200円、高知県が31,900円でした(国土交通省)。

徳島県:最も安く、最も空き家が多い県

徳島県は海を挟んで関西と向き合い、淡路島を渡る道路橋で神戸とつながっています。そのため徳島市や鳴門は、大阪や神戸に出やすい安い拠点を求める人に向いています。市の西の山あいにある神山町には、長年にわたりリモートワーカーや小さなオフィスが集まってきました。内陸の祖谷渓や山間の集落は四国でも指折りの奥地で、阿南や美波を中心とする南部の海岸は太平洋の外洋に面しています。売出価格の中央値は880万円、10月6日の集計では239件中67件が500万円未満でした。

空き家の多さはチャンスであると同時にリスクでもあります。空き家率21.3%ということは、谷あいでは近所の人も、店も、バスもすぐに減っていくおそれがあるということです。南部の海岸では、住所単位で津波浸水想定を確認してください。内閣府の2025年の想定では、南海トラフ地震による徳島県の最大津波高は美波町の24mです(内閣府)。

現在の物件は徳島県の一戸建てから見られます。

香川県:小さく、雨が少なく、古い家が多い

香川県は四国のなかでは小さく平坦な県です。高松を中心に、丸亀、坂出、観音寺が海沿いに並び、沖には直島、豊島、そして一回り大きな小豆島といった瀬戸内海のアートの島々があります。坂出から岡山へ鉄道で渡れる橋があるため、四国で最も列車で行きやすい県です。売出価格の中央値は999万円、290件中85件が500万円未満で、1980年以前の築が45%と古い物件が目立ちます。

確認すべきは水と築年数です。高松の年間降水量は平年で1,150mmと、高知の半分にも届きません(気象庁:高松)。平野部はため池に頼っている土地なので、家への給水の方法と、井戸を使っているかを確認しましょう。島の家なら、どのリフォーム計画にもフェリーの時刻と運送費を加えてください。

現在の物件は香川県の一戸建てから見られます。

愛媛県:松山、島々、柑橘の海岸

四国最大の都市である松山があるため、愛媛県は四国で最も生活サービスの選択肢が多い県です。道後温泉があり、路面電車も走っています。今治はしまなみ海道の橋で広島県の尾道とつながり、内陸には内子や大洲の古い町並みが残ります。宇和島を中心とする南部は、柑橘の段々畑と漁師町の土地です。売出価格の中央値は1,350万円で、建物は四国のほかの県より新しく、1980年以前の築は30%でした。

主なリスクは斜面です。愛媛県の土砂災害警戒区域は2025年3月時点で16,334か所あり(国土交通省)、段々畑の斜面に建つ家の多くは細い道に頼っています。海沿いでは南海トラフ地震の津波も確認が必要です。内閣府の想定で愛媛県の最大津波高は、佐田岬半島にある伊方町の20mです。

現在の物件は愛媛県の一戸建てから見られます。

高知県:雨、台風、太平洋

高知県は四国の太平洋岸の大部分を占め、東の室戸岬から西の四万十川や足摺岬まで続き、その中ほどに高知市と空港があります。山々によって四国のほかの地域と隔てられ、市外の暮らしは車と海沿いの道路、そして小さな漁村や農村を中心に営まれています。売出価格の中央値は1,369万円、1980年以前の築は42%、空き家率は20.3%でした。

費用がかさむ原因は天候です。高知市の年間降水量は平年で2,666mm(気象庁:高知)で、高知県の土砂災害警戒区域は20,014か所と四国で最多です。同じ内閣府の想定では、高知県の最大津波高は土佐清水市と黒潮町の34mで、想定全体で最も高い数字です。屋根、雨どい、雨戸、外壁のしっくいを入念に見て、玄関から津波の避難経路を実際に歩いてみましょう。

現在の物件は高知県の一戸建てから見られます。

四国への行き方と、四国内の移動

四国と本州は3つのルートの橋で結ばれています。淡路島を経由する鳴門と神戸の間、道路と鉄道の両方が通る坂出と岡山の間、そして島々を渡る今治と尾道の間です。各県とも県庁所在地の近くに空港があります。沿岸の鉄道から離れると、ほとんどの町は車社会で、山間部や島の集落の多くは1本の道路やフェリーに頼っています。1年の一部を四国で過ごすつもりなら、到着する空港や駅から玄関までの所要時間を、行きと帰りの両方で測っておきましょう。

台風と南海トラフ

4県すべてに共通するリスクが2つあります。1つは台風で、四国への接近数は平年で年3.3回です。ここでいう接近とは、台風の中心が地方内のいずれかの気象官署から300km以内を通過することです(気象庁の台風の平年値)。もう1つは、太平洋岸全体の沖合を走る南海トラフです。地震調査研究推進本部は、マグニチュード8から9クラスの南海トラフ地震が今後30年以内に起きる確率を、あるモデルでは60%から90%以上、別のモデルでは20%から50%としたうえで、高いほうの数字を前提に備えるよう呼びかけています(地震調査研究推進本部)。

どちらのリスクも、購入をあきらめる理由にはなりません。どの家に時間をかける価値があるかを決める物差しになります。高い土地にあること、新しいか補強された構造であること、屋根の状態がよいこと、そして自分で歩いて確かめた避難経路があること。日本の地震保険は、火災保険に付け加える別の契約です。それぞれの補償範囲は火災保険と地震保険のガイドで説明しています。

四国で家を買うときのチェックリスト

  1. 敷地の津波浸水想定を確認する。 外洋に面した徳島、高知、愛媛の海岸では、国土地理院のハザードマップポータルサイトと市町村のハザードマップで、浸水の想定と、最寄りの避難ビルや高台を確認しましょう。
  2. 台風を想定して点検する。 インスペクションで屋根瓦の固定、雨戸、雨どい、雨水が入った跡を確認してもらい、家の記録に台風被害の修繕がないかも見てください。
  3. 斜面と道路を確かめる。 斜面の家では、敷地と家までの道路の両方について土砂災害警戒区域を調べる必要があります。住所単位のハザードマップ確認を参照してください。
  4. 給水を確かめる。 とくに香川では、上水道か井戸か、過去の渇水の年にどんな制限があったかを尋ねましょう。
  5. 築年数を価格に織り込む。 香川と高知では、掲載物件の40%超が1980年以前の築です。1981年基準が中古住宅で持つ意味を読んでおきましょう。
  6. 留守の期間を計画する。 空き家の多い地域で台風シーズンに家を空けるなら、嵐の後に見回る人が必要です。先に空き家管理計画を作りましょう。
  7. 契約前に支援制度を確認する。 高松市の2026年度の補助金は、香川県の空き家バンクに登録された住宅について、リフォーム費用の半分を最大50万円(居住誘導区域では60万円)まで、先着順で補助します(高松市)。今治市の移住者向けのより大きな補助金は、2026年度分の受付をすでに終えていました(今治市)。各町の空き家バンクは県の移住ポータルにまとまっています。徳島県、香川県、愛媛県、高知県です。

データの出典と集計方法

件数は2026年10月15日に当サイトの公開物件から読み取ったもので、毎日変わります。中央値と築年数は2026年10月6日の集計です。空き家率は総務省統計局の2023年住宅・土地統計調査の確定値です。降水量と台風の数値は気象庁の平年値(1991年から2020年)、土砂災害警戒区域は国土交通省がまとめた2025年3月31日時点の数です。

実際の物件を比べてみませんか。四国の地域ページを開くか、全国の1,000万円以下の家を見てみてください。